県知事への提言書を書いています。

個人のホームページをリニューアルして、つらつら記事を更新していきます、なんて言ってからだいぶ時間が経ってしまいましたが、やっと更新をする気になったので、無理ない程度にちょくちょくあげていきます。

ここ最近、スケジュールの合間を縫って、茨城県の大井川知事宛のスタートアップ関連施策に関する提言書を書いています。

昨年11月から何回かに分けて、茨城県にゆかりのあるスタートアップやインキュベーターや、茨城県の職員さん方と集まって、ディスカッションをしてきたことの総仕上げです。

きっかけはたまたまFacebookで就任直後の知事にメッセージをしたら、訪問の機会をいただいたことがきっかけで、こつこつ準備をしてきました。

まだ草稿ベースですが、提言書の導入部分に、僕の想いを詰め込んでみたので、一部紹介します。

提言書全文は、提言が終わったら全公開したいな、と思っています。

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はじめに

2000年から2018年にかけて、日本の名目GDPはほとんど成長していません。その間、同じ先進国のアメリカやドイツは約2倍の成長。中国にいたっては9倍弱の成長を成し遂げています。(IMF – World Economic Outlook Databasesより)

今この国に生きる若者は、その人生の大半をバブル崩壊以後30年近くにわたる「失われた時代」のなかに過ごしてきました。私たちの生まれる前、全く預かり知らないところで失われた「時代」。私たちはそんな世代だからこそ、ある種の反骨心をもって、今この国の人々が置かれた状況に立ち向かおうとしています。

若者を中心とした「起業ブーム」とよく言われますが、起業するそれぞれの心のうちにはそういった世代的背景が少なからず確実にあり、身近な地域が、コミュニティが、国が、世界がより良い明日を迎えられるように、真剣に日々取り組んでいる人間たち。それが今の起業家像だと考えます。

この提言書は、茨城に住み、暮らし、もしくは生まれ、育ち、あるいは学び、働く起業家である私たちが考える、茨城県が「日本一スタートアップが成長しやすい県」になり、世の中にない価値、未来、ワクワク感を圧倒的なスピードで生み出していくための重要な要素と必要な政策案をまとめたものです。
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企業の成長と人を惹きつけるということ

今年に入ってから、新たにお手伝いを始めたベンチャーが柏の葉にあります。
そこは、私の同級生が立ち上げたスタートアップで、スマートフォンの視聴率データサービスを展開しています。
昨年2月に2.3億の資金調達を行い、社員の人数も毎月どんどん増えている、まさに成長企業です。
http://fuller.co.jp/

成長企業が成長企業たる所以は様々な要因があるはずですが、
そこに人を惹きつけるものがあるかどうか、という点が一つ大きなファクターとして考えられます。

お客様然り、社員然り、株主然り、取引先然り、

あらゆるステークホルダーをいかにして惹きつけ、「味方」「仲間」にしてしまうか、
これがあらゆる企業が昔から追い求めてきたテーマです。

その「惹きつける」力の重要性が、ひと昔前と比べて、 より増しているように感じます。
マーケットの縮小、人材の売り手市場、リスクオフ、調達競争の激化、
いろいろと個々の理由はあるにせよ、一つ言えるのは「選択肢の拡大」です。

これまでは、国内のプレイヤー間で競争をしていればそれで良かった日本。
家電はSHARP、Panasonic、Sony、東芝、、、
車はトヨタ、ホンダ、日産、、、
小売りは、イオン、イトーヨーカ堂、西武、、、

それが今では、選択肢が外資系プレイヤーまで広がり、
中国、台湾系の家電メーカーの攻勢に日本勢は総崩れ、
車は、まだ日本勢が強いですが、最近外国車メーカーが低価格帯車種をラインナップし、
少しずつそういった車が目立つようになりました。
小売りは、Amazonという巨人に対して立ち向かう気概のあるプレイヤーが
まだこの国にはいないように感じます。

人材に関しては、終身雇用制の非一般化とともに、
エージェント、ヘッドハンティング形式の転職が常識になりつつあり、
短い期間にある会社を退職しても、それが昔ほど汚点になりにくくなっています。
人々はより働きやすい環境、能力の発揮できる環境を求めています。

一方で、安定志向の若者が増えていることは事実ですが、
定年までこの会社で勤め上げることができなければ恥だ。とか、
何があっても我慢して働かなくては、などと考えている人は、
皆無といっていいのではないでしょうか?

それはキャリアメイキングの選択肢が増えているからで、
優秀な人材ほど、流動性が高いといえるでしょう。

そういった移り気なマーケットや人材をつなぎとめるためには、
これまで以上に「惹きつける」力が必要なのです。

大したコミュニケーションを取らずとも、ブランドや給料、力や規律で、
それらを支配できた時代はとっくに終わりました。

フラットなコミュニケーションをより多くとり、
なぜ〇〇はこの事業を推進しているのか?
なぜ〇〇を買うべきなのか?
なぜ〇〇に入社してほしいのか?
なぜ〇〇から調達したいのか?
なぜ〇〇にこの仕事を任せたいのか?
ということを、魅力たっぷりに伝えてはじめて、彼らはこちらを向いてくれるのです。

ベンチャーや中小企業などは特に、です。
それができなければ、お客さんは増えず、採用もうまくいかず、離職率も高止まり、
投資も集まらず、簡単であるはずの調達ですら失敗します。

トップやマネジメント層が、フラットなコミュニケーションを意識し、
会社そのものを明るく、活発な、魅力あるイメージ、雰囲気を醸成することができれば、
それは全社に伝播します。

それは成長企業、資金のある企業、儲かっている企業だからできることだ、
という人もいるかもしれませんが、それは違います。

成長前だからこそ、まだ小さなベンチャーだからこそ、絶体絶命なピンチだからこそ、
リーダーは、それをはねのけるエネルギーでもって、メンバーを安心させなければなりません。

かのスペースX、テスラモータースのイーロン・マスクも、
何十億、何百億とかけて開発したロケットの打ち上げが失敗、延期し、
もうダメだと周囲の誰もが考えたときでも、
これは成功への確かなワンステップだと、スタッフを励まし、鼓舞し、
結果その言葉を実現させたように、
成長企業は、どんな状況下においても、人を惹きつけ、自然と突き動かされる「何か」を持っています。

Photo credit: ecolepolytechniqueups via Visual hunt / CC BY-SA